最近のMortgage Loan状況
経済政策が目指すところは、
- 経済成長
- Inflationの抑制
- 完全雇用の達成
- 国際収支の安定化
であり、現時点でアメリカ経済が注力しているところはインフレの抑制にあります。
アメリカの中央銀行はFederal Reserve Bank(FRB)であり、Federal Open Market Committeeの会合で適正金利を決め政策金利として適用します。この決められた適正金利は、アメリカの短期、長期金利に直ぐに影響を与えます。政策金利が実経済に影響を及ぼすにはある程度の期間が掛かりますが、金利の変動は、預金金利、Credit Cardの金利、不動産ローン金利、Commercial Loanの貸出金利等私達の実生活に非常に大きな影響を与えます。
2022年9月27日現在、FOMCで決定された政策金利はFederal Fund Rateの金利を3.25%と0.75%上昇しました。この金利は今年の年末までに残りの2回のFOMCで最低でも4.125%まで上昇すると見られています。この急激な金利の上昇で、識者の一部ではアメリカの経済が、現行の2年物の国債金利が、4.27%、10年物の国債金利が3.956%と長期金利が短期金利より低い状況から不況入りは避けられないとする人もおります。
この金利上昇はアメリカのGovernment Sponsored Enterpriseであり、主に30年物の長期固定金利で、Mortgage Backed Securitiesを購入するFannie MaeやFreddie MacのMortgage Loan Rateを6%以上に押し上げています。
この急激な金利の上昇は、ここ数年続いた不動産価格の上昇を止め、不動産売買取引の現象を招いています。来年にアメリカ経済が不況入りするのであれば、高金利で無理をして不動産を購入した人が失職したりすれば、Equityを無くし、Foreclosureに会い不動産を手放さなければならない状況に陥る事態が出てくると思われます。地域の格差もありますが、不動産価格はここ1,2年は上昇しないのではと予測されています。
不動産Loanを扱うMortgage Loan Brokerの業況は一気に悪化し多くの会社で雇用の削減が行われています。
不動産Loanの貸し出し基準も以前の様なNo Coronaの時の様な厳しい審査基準から多少和らいでいるようですが、相変わらず全ての債務の月額合計が、毎月のGross Incomeの43%以内に収まらないとLoanの基準を満たせないのは変わっていません。
特に自営業の方は、Tax Return等で報告された2年間の数字の平均を取りますので、Loanを申請する直前に給与を増やしても、条件を満たすことが出来ない事があります。
一時の低金利よりの急速な金利上昇時にLoan借り換えをする意味は、よほど緊急にEquityを取り出す必要が無い限り無いのではないでしょうか?
この状況はアメリカ経済が不況入りするか今のInflation RateがFRBが目指す2%台に落ちてくるまで続くと思われます。
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